平均寿命が長い割に一人当たりの老人医療費が全国で最も少ない長野県で生まれた造語。長野県はピンピンコロリの里と呼ばれているらしい。全国にピンピンコロリ(PPK)という言葉が浸透してきたのは、2003年に「PPKのすすめ」という本が出版されてから。
日本は世界的にみてもトップクラスの長寿国。ですが、年をとってもピンピンして元気で長生きの人はあんまりいません。どうしてでしょうか?日本と他の先進国の医療を比べてみると、
日本は長生きはするものの薬に頼り、入院する人が多く、その入院期間も長いということを示しています。これらのことから、入院が長くなると健康でなくなる可能性が高く、薬にあまり頼らないことが元気なお年寄りでいることの秘訣であると推測できます。
そんな日本にも、元気な高齢者の多い県があります。それは長野県。働いている高齢者の割合が日本で一番多く、なかでも農業に携わっている人が非常に多いそうです。 この長野県、他県となにが違うのでしょうか?長野県人の暮らしぶりを見てみると
といった特徴が浮かび上がります。このような暮らしぶりが元気な高齢者になる条件ともいえます。
つまり、標高が高い土地で食物を育て(=自然環境が良い場所)足腰を使って働き、仲間やご近所さんとともに生涯学習や地域活動に取り組み、少し体調が悪いくらいでは病院など行かず薬も飲まない。「なんとかなるさ」で生きている人が「健康で長生き」だということができそうです。「なんとかなるさ」といえば、沖縄の「なんくるないさー」も同じ。沖縄も長寿で有名な県です。楽観的であることは心と身体の健康に大きく作用しているんですね。
※1:標高が1000メートル上がると、男性は約2歳長生きであることが調査によりわかっているそうです。
歯周病で歯が抜けて食べ物が噛めなくなると脚力やバランス能力などの運動機能が低下したり、食事が進まず健康を害することもあります。
心と体はつながっている。イメージする。実際は支障があっても「自分は健康である」と自信を持つ方は、「健康でない」と考える方に比べ、長生きすることが統計でも示されています。病は気からは本当なのかも。
長寿の人は、籠りきりの生活をせずに毎日外出している人が多い。
転倒してけがをしたり入院等で「歩けない」状態が続くととたんに筋力や気力が落ちで歩かなくなる高齢者が多い。動けるうちから筋力が落ちるのを防ぐ生活を続けることが、このようなことにならない秘訣かもしれません。有酸素運動がだいじ。なるべく早足で。できればゆっくりと関節に負担をかけない筋トレも合わせる。ピンピンコロリ運動という体操もあります。
早寝早起き、夜寝る前にテレビを見たりゲーム・パソコンなど交感神経を刺激して興奮してしまうことをしない。眠りに向かってだんだんに明かりを暗くしたりゆっくりお風呂につかったりストレッチしてリラックスする。副交感神経を大事にすると、免疫力を高める。
食べ物も、自然なものを複雑な調理をしないでシンプルに食べる。食物繊維をたくさん摂る。
「〜ねばならない」ではなく「〜したい」の精神で。嫌なことじゃなく楽しいことをする。少しの好きなものに囲まれ、気の合う人たちと過ごし、笑いのたくさんある毎日を過ごす。
失敗したり病気になったりしてもそこでくたばらない。投げ出さない。また、気を取り直す。復活力。立ち直り力。口では言えても簡単ではなさそう。どの人の人生も失敗・失敗・大失敗の繰り返し。その繰り返しの中一つ一つが訓練になって、そういう思考回路を持てるようになるのかもしれませんね。ただでは起きないというやつです。
誰もが望む長寿、そして寝たきりの”ネンネンコロリ”ではなく死の直前まで元気な”ピンピンコロリ”には数々の意外な条件があった。長年、地方自治体と共同で追跡調査を行い膨大なデータをもとに著者が導き出したその法則は、お酒を毎日飲む、コレステロール値が高め、お出かけ頻度が高い、仕事を続けるなど、興味深いものが目白押し。そこには生き生きとした楽しい老後を迎えるためのヒントが満載です。おでかけ頻度の高い人のほうが…、コレステロール値が高めの人のほうが…、お酒を毎日飲んでいる人のほうが…じつは長生きなのです。著者らが行ってきた地方自治体と協同での大規模追跡調査の結果わかった、「健康長寿」つまり「ピンピンコロリ」の法則は、従来からの常識を覆すものだった。だれしも「高齢で寝たきり」の「ネンネンコロリ」は避けたいはず。この一冊で「何がほんとうに健康にいいのか」を再確認してください。